2013年2月27日水曜日

マスタングとアテンザは北米価格はほぼ同じ

  フォードマスタングとマツダアテンザが同じ価格だったらどっちを買うか本当に迷いそうなんですが、素晴らしいことに北米ではどちらも2万ドルから買えます。北米で2万ドルで売られるクルマなら、日本でももうちょっと安くていいのかなという気もします(マスタングV6は430万円〜)。フォード車は輸入車としての「華」はないかもしれないけど、全てのラインナップに「フォードのポリシー」が感じられます。変にユーザーに媚びたモデルがないのも魅力で、フォードが好きな人はメーカーが一台一台に魂を込めて作っているから好きという人も多い(マツダやスバルのファンみたいですね)。


  マツダの現在のラインナップも以前フォード傘下にいたときに作られたクルマで構成されている。マツダの開発者はRX-7の後継モデルを2ドアで作らせてくれなかったフォードの経営陣を恨んでるという話も聞くが、GMではなくフォード傘下であったことはマツダにとっては幸せなことだと思う。GM傘下だったスズキは小型車の専門メーカーになってしまったが、フォードは小型車に興味がなかったようで、日本メーカーだからといってマツダを小型車メーカーにしようとはしなかった。

  もしマツダがフォード傘下じゃなかったら、いまでもセダンにロータリーエンジンを積んで、クルマ好きしか感動しないようなモデルを作り続けてとっくに倒産していたかもしれない。一般の人にとっては「ロータリー」なんて、「熱くて・うるさくて・燃費が悪くて・壊れやすい」といった最低のエンジンなのだから・・・。「スポーツカー以外にはロータリーは積むな」という当たり前が当たり前じゃなかったのが、フォード以前のマツダだ・・・。たしかにマツダの技術力はスゴいが、だからといって「フォード後遺症」といって「旧宗主メーカー」を厄介払いしたような気分になっているのは、間違っていると思う(そのように報じるメディアもおかしい)。

  アクセラやアテンザが発売当初から欧州で大ヒットしたのは、マツダの技術力とフォードの魂が注ぎ込まれたクルマに欧州のユーザーが好意的だったからだ。フォードはアメリカの会社だけど、戦前から(クルマの歴史の最初から)イギリスを中心とした欧州にしっかり根を張ったメーカーだった。いまでも欧州シェアはどの日本メーカーよりも上だ。

  少ないラインナップだけど、全車種に魂を込めるフォードのクルマ作りとその成功は、2000年代のコストダウンに堕ちた日本メーカーへの厳しい教訓になっていると思う。品質を無視したマーチやミラージュの逆輸入の販売が失敗しつつあり、今後の日本メーカーは品質の向上へと方針転換していくだろう。フォード傘下でそのクルマ作りを学んだマツダが今、脚光を浴びつつあるのは偶然ではないと思う。

  

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