2013年11月26日火曜日

ボルボの新陳代謝は日本で通用するのか?

  目下のところ昨年同月比で73%増の販売台数となり、全般に好調な輸入車ブランドの中でも特に目立っているのがボルボです。好調の原因は、もちろん現在の販売の主力となっているV40で、昨年の段階ではまだ発売されていないのですから当然の結果ではあります。しかしBMWミニに追いつき、停滞気味のアウディを捉えようかという勢いを感じます。

  ミニとアウディが本来は獲得するべき、好景気による増加分をボルボが吸収したわけですが、印象としてはボルボがかなり日本市場で宣伝を掛けてじっくりと自信の新型モデルを売り込むことに成功した感があります。ミニはともかくアウディは新型A3の日本市場への投入を躊躇し、欧州・北米・中国を優先していて、はっきりと日本市場を軽視していることから、大手輸入ブランドの中で大きく出遅れたことは仕方が無いことだと思います。

  アウディは日本メーカーが中国で大きくシェアを落とす中で、「ある種」の問題行動を起こしていて、日本の特定の思想を持った団体からはその存在を完全に抹殺されているので、フジテレビが受けているような制裁が少なからず存在しているようです。

  一方でボルボは他のブランドよりも日本重視の姿勢を見せていて、現在開催されている東京モーターショーでもアウディとは全く熱意が違っていて、先日欧州で公開された最新のコンセプトモデルをロサンゼルスではなく東京に持ってきました。

  ボルボとしてはアウディが日本市場で思わぬ躓きをみせている今が千載一遇のチャンスなのですが、発売から1年近くが経ってV40頼みの状況では更なる飛躍は望めそうにありません。ボルボが従来から持っているラインナップはセダン・ワゴン・SUVで強力なライバルが多く、日本市場でも大きな拡大が期待しにくいジャンルに集中しているので。新たな戦略モデルが不可欠な状況です。

  そこでボルボが日本市場に切り込みをかける第2弾として期待しているのが、東京MSでも公開されたボルボ「コンセプト・クーペ」です(動画はこちらです)。自動ブレーキと受動安全性さらに歩行者保護エアバックなどで話題を重ねたV40に続いて、今度はボルボの殻を破って登場した「スタイリッシュ」「環境性能のPHEV」「高性能」といった本質的な魅力を強く訴えるクルマです。もちろんボルボ的に標準な安全装備は全て載せるはずなので、どこからもつつきようがない完全無欠に近いスペシャリティ・クーペです。

  堅実なデザインと十分に所有欲が高まるであろう過不足無い性能で人気を博したV40は、ある意味で日本人が求める「今のクルマの理想型」に割と近かったと思います。新しく出るスバルの日本限定モデルのレヴォーグがどことなく従来のスバルではなく、このボルボV40のスペックを参考に設定されている気さえするほどに、V40のスペックは日本市場を研究した素晴らしいものなわけです。さらに堅牢なボディなど共通点も多く、V40はスバル車の互換車種として日本市場に打ち込まれた楔と言えます。

  そして次なる楔となるこの「コンセプト・クーペ」の市販モデルは、こんどは日本市場の「非スバル」的なニーズを掘り起こす為の戦略モデルといった趣があります。良くも悪くもマツダらしいデザインであり、アウディらしいデザインでもあるように感じます。スバルには見向きもしない目立ちたがりのユーザーを、狙い撃ちするには理想的なデザインだと思います。もちろん上手くいくかは価格次第なんでしょうけど・・・。


  ↓ボルボのC/Dセグ車もマツダ風にフェイスリフトして日本市場に溶け込むか?

  

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