2015年8月14日金曜日

PSAグループから新ブランド「DS」が誕生!これはプレミアムファミリーブランド!?

  シトロエンから新しいプレミアムブランドとして独立した「DS」の今後の展開が楽しみです。フランスにもプレミアムブランドの波が・・・と言われたらそれまでなんですけど、単なる「PSA版のアウディ/レクサス」というわけではなさそうです。PSA車をベースにFFのオシャレに仕立てていて、格式張った「高級」を狙わないクルマ作りこそがこのブランドの特徴ですが、今の自動車業界に求められているのがまさにコレでは?という気がします。「高級」よりも「センス」という視点は・・・まるでバブル期にマツダが創設して瞬く間に終わった「ユーノス」みたいです。

  しかしあれから25年経った現在にユーノスブランドみたいな存在があったら面白いんじゃないかと思います。幸いなことに今ではマツダブランド全体がユーノスで目指そうとした形に収束してきているようで、今度は見事に成功?を収めつつあります。1989~1990年頃にマツダが生産する独自モデルを次々に展開した「ユーノス」のデザインは今見てもセンスが薫る出来映えです。フラッグシップに置かれたロータリー搭載のラグジュアリークーペ「コスモ」は、スープラ、三菱GTO、スカイラインGT-R(R32)をも上回っていた豪華版だったようですが(実勢価格は知りません・・・)。

  そもそもユーノスはマツダがまだまだ欧州市場が群雄割拠の時代(1990年頃)に、「デザイン」で覇を唱えるといった、自動車メーカーの経営戦略の枠を超えた「野心」に満ちた企画だったのだと思います。残念ながら冷戦終結後に押し寄せたバブル崩壊の波に飲まれて木っ端みじんになりましたが、RX7FD3Sが「フェラーリよりも美しい」という本物の評価を得ていたマツダゆえに、欧州で躍進して世界的な権威のある自動車メーカーへと登り詰める青写真を持っていたのかもしれません。

  マツダの高いデザイン力をまったく理解してくれない日本市場から抜け出し、その実力がそのまま「競争力」になるうる欧州市場へと軸足を移すのは必然の流れだったようで、同じ境遇の三菱も日本ではパジェロとランエボのイメージが強いですが、ディアマンテやエクリプスなど非常に高いデザイン性を持ったクルマを2000年代まで輸出していました。

  「スープラ」「スカイラインGT-R」「NSX」「GTO」「コスモ」「アルシオーネSVK」とバブルの絶頂に作られた日本のラグジュアリー・スポーツクーペ(いずれも当時はポルシェよりも断然に速い!)を改めて比べると、三菱GTOとユーノスコスモの知名度がやや劣るのかな・・・という気がします。しかしドイツでは、この時代に築き上げたブランドイメージによってマツダや三菱が大手3メーカーを凌ぐ人気を誇っています。

  マツダや三菱の魅力はもちろん世界最高を自認できる高い技術開発力ですから、「コスモ」や「GTO」といったハイテク車でブランドイメージを牽引する戦略は当然であり、それ自体を否定することはできません。しかし「ロードスター/RX7」や「ランエボ」を育て上げたマツダや三菱にはオシャレな小型スペシャリティも手を抜かずに作り込むというDNAが備わっていたようで、その流れがそのまま現在の欧州スペシャリティ市場で芽を開きました。日本でも人気の「ボクスター」「BMW Z4」あるいは「アウディTT」「A45AMG」などは、マツダや三菱が築いたジャンルの上に成り立っているといってもいいでしょう(パクリです)。

  ロードスターやランエボのコンセプトを、ポルシェやメルセデスがコピーすると700万円のクルマに変わる!?ようで、このなんともバカヤローなドイツメーカーの手法が、スペヤルティカーの市場を徹底的につまらないものにしてしまった感はあります。ロードスターがボクスターになったからといって、そのまま華やかな都心の大通りに出て行ける風格があるわけでもないですし、ランエボがA45AMGになったところで使い道が増えるということもありません。オーラも車格もそのままでただただ車両価格が高くなっただけ・・・。

  先駆的で輝く存在のクルマをさらにブラッシュアップして、新たな付加価値を加えることが、プレミアムブランドの本来的な意味ならば、それを実直に行っているのは・・・「レクサスCT」なのではないかという気がします。HV創成期にトヨタは普及のためのダンピングを行ったため、プリウスは基本的な素養においていささか不満が噴出するモデルでしたが、それをしっかりフォローして満足度をしっかり引き上げ、それに応じた車両価格を適正に賦課した「レクサスCT」は世界的にもヒットしました。

  レクサスにおいては異端的な存在とされている「CT」ですが、トヨタブランドの上級モデルをそのままスライドさせた他のモデルに対して、顧客の視点から納得できる「プレミアムカー」ではないかと思います。実際のところレクサスHSとSAIあるいはレクサスNX/RXとハリアーにそれほど決定的な違いはないですが、CTとプリウスの間には看過できない開きがあります。残念ながらレクサスは低価格路線のこれ以上の展開は、トヨタブランドとの兼ね合いを考えても無理そうなので、「ヴィッツ/アクア」のレクサス版が出ると噂されていますが、実現するかどうかは微妙です。

  そんな「レクサス」の隠れた美点に目を付けたかどうかはわかりませんが、「DS」ブランドは現行のラインナップを見る限りは、レクサスCT的な手法のモデルで上から下までの全ラインナップを構成しています。「そんなブランド興味ない!」という人もまだまだ多いでしょうけど、少なくともメルセデスやBMWが裾野を広げるために投入している、廉価ファミリーカー路線のモデルを選ぶくらいなら、もともとFF車で実績のあるPSA車をベースにデザインされた「DS」の各モデルがいいのではないか?という気がします。

  これまでは「ファミリー」と「プレミアム」はあまり関連するキーワードではなかったのですが、プレミアムブランドにとってはいかに「ファミリー」を攻略すべきか?が今後の戦略では非常に重要となっていて、その一つの解決がSUVのフルラインナップ化だったりするようです。そして「DS」ブランドのもう一つの特徴が「SUVに背を向ける戦略」のようです。プレミアムブランド化を宣言して、SUVをフルラインナップしたところで、ドイツ・日本・韓国のメーカーとの煩雑な販売合戦に巻き込まれるだけ!ということを見越しているのでしょうが、「オレたちはフランスのブランドだ!」という自己主張とも受け取れます。もちろんフランス市場は日産ジューク以来SUVブームが続いていて、ルノーもプジョーも小型SUVで業績を確保しているわけですが、「DS」にはアンチSUVのアイデンティティが備わっているかのようです(発売されちゃうかもしれないですが)。

  「DS」ブランド設置の追い風となるのが、欧州の排ガス規制強化で、BMWやメルセデスなどによるハイパワー化の流れは完全に止まり、ガソリンターボは200ps程度に抑えられ、4気筒が完全に主流なので、PSAのエンジンでも全く引けをとりません。さらに日本でも欧州車はディーゼルへという方向が完全に出来上がってきていて、PSAのクリーンディーゼルがプジョー、シトロエン、DSの3ブランドから発売されるのも時間の問題となっています。どのブランドが最も早く「プレミアム」「ファミリー」「ディーゼル(経済性)」を高いレベルで融合させるのか?・・・DS(5)・BMW(218d)・メルセデス(CLAシューティング)・ホンダ(ジェイド)・マツダ(アテンザワゴン)・スバル(エクシーガ)に対してトヨタがどう出るか?(フィールダーではちょっと・・・)

  とにかくSUVは嫌いです!というファミリーユーザーは少なくないです。理由は・・・お察しください。まあ基本的には好き嫌いの問題ではあるんですけどね。SUVは確かに売れてますが、日本においては一時の勢いは弱まってきています。ライバル車も多いですから見かけ程には儲からないジャンルになってきていると思います。そんな中でも力強く伸びていくためには、SUVやミニバンではない「裏メニュー」的ファミリーカーを試行錯誤して売り抜く(シェアを奪う)ことが大事なのだと思います。ホンダなどの日本メーカーに負けない「低床化」のノウハウなどを持つPSAが、DSブランドを使ってファミリーカーに新しい流れを作り、ドイツブランドも日本ブランドも押し退けることが出来るか?見ものです。

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2 件のコメント:

  1. のっちさん、こんばんは!

    DSネタならコメントしないとですね。

    DSはコンセプトで「ワイルドルビー」というSUV出してますし
    シトロエン自体はC4カクタス(秋導入?)でワールドカーデザインオブザイヤー、
    コンセプトでエアクロス・コンセプトなども出してきてます。
    三菱のアウトランダーベースで「C-Crosser」なんてのもありましたね。
    現行のDS4も若干クロスオーバーな感ありますね。

    なのでシトロエン自体は別にアンチSUVってことは無いんじゃないですかね。
    シトロエンが体現したいコンセプトありきで車を作っていくという
    自動車界では異様なマーケティングしてますから、DSは(笑)

    トランスミッションもエンジンもかつてとは違い
    グローバルスタンダードには達していますし、
    PSAはおっしゃるとおりディーゼルを順次導入するようですから
    ファミリー層にいいアピールが出来ればそこそこ売れそうですけどね。
    まあネックは販売網と風評(壊れやすそうとか、そういった類の)でしょうね。

    ファミリーユースのミニバンならC4ピカソ、一考の価値ありです。
    乗り出した瞬間、水面を滑るようなフラット感と、
    ステアリングのクイックさは数多ある凡庸なミニバンとは全く違います。
    先代から定評があるサスは国産ミニバンにありがちなブワブワさとは無縁ですし、
    デザインは内外装問わず(特に先代の内装)ハイクオリティ、
    運転席から頭上まで広がるパノラミックグラスルーフは類を見ません。

    もうちょっとフランス車は見直されてもいい気がしますね(笑)

    カクタスはちょっとターゲット違いますが、特に楽しみな一台です。

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    1. yatsumeさんこんにちは
      コメントありがとうございます。

      こないだ某雑誌(忘れた・・)のタイアップ記事で、
      シトロエンの並行輸入でC6のクリーンディーゼルとか買えるってあったんですよね。
      ディーゼルの勝負になったらBMWやメルセデスよりも、
      FFのボルボやPSAの方が操縦性も高いですから、
      正規輸入が始まれば「DS」のディーゼルは結構人気になりそうですね。

      「DS」には「アンチSUV」であって欲しいんですよね。
      日本車やドイツ車の真似をしたところで、
      せっかくの「DS」の良さがどんどん薄まる気がします。
      レクサスやアウディに見せつけるかのような、
      DS5のハイセンスなシートデザイン良かったですし。
      レクサスもアウディもジャガーもメルセデスも
      シートデザインに関しては印象が薄くて全く覚えてませんけど、
      DS5とゴルフGTIはすぐに思い出しますね!
      もちろんGTIはセンス無さ過ぎが理由ですけど・・・。

      パノラマミックルーフって日本もドイツもなかなか真似しないですね。
      フロントマスクがハゲみたいになって、
      エクステリアに悪影響があるからですかね。
      フランスならハゲもセクシー?
      あと自動ブレーキのカメラは付けませんよ!っていう割り切り
      が許されるのがフランス車(イタリア車)かもしれないですね。

      微力ながら「DS」ブランドの日本定着を狙って
      今後も話題作りをしていくつもりなので、
      また気が向いたらキレのあるツッコミいれちゃってください!

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