2018年2月8日木曜日

ルノー・メガーヌ(2018 / NO1) CMFの本気?

ルノーがドイツ車に挑む

  いまいちどこへ向かっているのかわからないフランスブランドのルノーです。欧州では主要市場で強力なVWグループを徐々に駆逐しつつあり、フランス本国はもとより、VWの本籍地であるドイツ市場にも侵略しつつあります。今ではVWグループのチェコのシュコダを除けば、ドイツで最も売れている国外のブランドになるらしいです。ちょっと前まではトヨタ、日産、MAZDA、スズキなどの後塵を拝していましたが、今では日本勢とは別格に売れているらしいです。

ドイツ車がつまらないからルノーが売れる!?
  ドイツ市場のユーザーはとっても素直で正直な人が多いようで、メカ的に優れている要素がはっきりわかるクルマなら例外なくそこそこ売れるらしい。歴代の日本車でもアコードCA(3代目)、P10プリメーラ 、歴代のMAZDA626、MAZDA6GG(アテンザ)、欧州カローラ(カローラランクス)、歴代エボ、歴代インプWRX、歴代スイフトスポーツなど、日本ではあまり人いがなくても、設計がやたらと意欲的な日本車はことごとく売れてきました。残念ながら日本車の大将格である『スカG』は、34が短期間のみの正規輸入でしたが・・・。

フランスブランドは「本格志向」
  そんな「メカ」好きなドイツ市場で『メガーヌGT』の販売が好調らしい。フランス車ってのはちょっとドイツ人からバカにされているところがあるようで、高速安定性は期待できないけど、デザインが独創的だからという理由でちょっとは売れているらしい。しかしPSAなどはかなり無視されているという話も。そんな中でメガーヌGTのようにドイツ市場を攻略しようというモデルも出てきます。「ドイツ人好み」のメカ的なフランス車は、以前にもあって、例えばプジョー406、407といった90年代2000年代のプジョーの看板モデルも「メカ」でドイツウケしたらしいが、リーマンショック以降のフランス車ではどうやらこのメガーヌGTが初めてかも。

VWはもはや完全に中国がメインだが、ルノーはまだまだ欧州中心。

  ルノーの販売で評価できるのが欧州市場でその多くが売れていること。欧州メーカーなのだから欧州市場でたくさん売るのは当たり前のような気がするが、ライバルのVWやPSAはすでにグローバル販売の半数以上を中国市場に依存しているのに対して、ルノーは6〜7割を欧州市場で販売している。欧州の「走り」の伝統で最も評価されている一般ブランドといってもいいのかも。低成長なはずの欧州に軸足を置きつつも、2017年は前年比10%の伸びを記録するなど、なかなか『ミラクル』な展開です。

トヨタが失敗した道を押し通る!?
  そんなルノー・メガーヌが「GT」グレードを前面に押し立てて日本市場にやってきました。スポーティと実用性を兼ね備えた「GTカー」&「ハッチバック」=『ホットハッチ』は、あのトヨタも一度仕掛けましたが日本では成功しませんでした。2000年頃にトヨタがカローラランクス発売で仕掛けた「Cセグハッチバックツアラー」を日本で売る!!という構想は、日本では全く受け入れられなかったです。しかしトヨタが失敗した地獄の道をルノーがやってしまおう!!という憎いまでの心意気には敬意を示したいです。


「ルノーは楽しい」という評価は定着するか
  シビックtypeRやゴルフRなど高性能なデフを装備したサーキット向け改造車ならば一定のユーザーは見込めるようですが、エンジン換装(排気量UP)とスポーティな足回りへの変更といった、クルマの使い方自体はそれほど変わらない程度のチューンだけを施して、「日本市場」で余分にお金を払わせるのはなかなか難しいんじゃないかと思います。幸いにCセグで200ps程度のユニットを積む車両の新車価格の相場がやや曖昧になっていて、ホンダ・シビックを基準とすると265万円くらいになります。果たしてここに4WSと派手なサポートが着いたスポーツシートなどの装備で差別化されたとはいえ、334万円のメガーヌGTは割って入っていけるのか!?

ルノー日産CMFの実力!?
  メガーヌに使われるプラットフォームは日産CMFプラットフォームです。これ業界では、MQB、TNGAに先んじて展開された共通シャシー化のトップランナーとか言われていて、欧州で大ヒットしたSUVキャッシュカイ(エクストレイル)とも同じものです。MQB、LMP2、TNGAと比べて、日本市場ではその実力が測定しにくいプラットフォームでしたが、エクストレイルを検分する限りでは、同クラスのSUVに採用される中では、最も優秀なモジュラー型プラットフォームという感触はあります。

北米セントラとの違い
  メガーヌGTに搭載されるエンジンは、1.6Lの208psのユニットで、北米セントラの上級ターボグレードと基本は同じですが、北米の日産版は188psなのでルノーによって特別にチューンが施されています。北米セントラと日本のシルフィは、どちらも旧型のBセグ用シャシーを引き延ばして使っていて、搭載できるエンジンもやや控えめです。CMF時代ルノー日産の本格的なCセグ車としては、このメガーヌと日産パルサー/ティーダが第一弾になりますが、日本に入ってきているのは今のところはメガーヌだけという状況。

国内生産でCMFの実力を見せて
  日本ではトヨタやVWによるメディア支配が進んでいて、TNGAやMQBはよく知られていても、CMFは知らないという人も多いです。TNGA代表のプリウス&C-HR、MQB代表のゴルフに対抗するような、ルノー日産グループCMFの大本命として登場したメガーヌですけども、とりあえず最初に乗った印象では、プリウス、ゴルフを蹴散らすに十分な操縦性が目立ちます。ルノー日産の熱いパッションが伝わって来るような、いい意味でトガった乗り味です。シートのせいもあるかも!?ぜひ日産にもNISMOベースに最適なピュアCセグを国内生産で期待したい。

最新投稿まとめブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿